投稿

イメージ
  「海外邦人の医療支援/新型コロナウイルスが世界に突きつけた課題」 2022年1月15日 咢堂塾でお話させていただきました。 2時間あまりと長い動画ですが、ご覧いただければ幸いです。 https://www.youtube.com/watch?v=o715ca5qr1k
イメージ
新年、明けましておめでとうございます。 博士と助手以外、在外邦人向けの最新情報は下記のフェースブックページに掲載しておりますので、ご参考にしてください。 在外邦人向け医療関連情報 https://www.facebook.com/houjinkanren 2022年1月元旦

『グローバルに語ろう アジア医師と見る未来』

イメージ
  番外編 グローバルに語ろう アジア医師と見る未来   以下、 m3. 様から了承を得て、掲載いたします。 https://membersmedia.m3.com/articles/3446#/  「グローバル化が進む昨今、医師にとっても「海外」が身近な話題となっています。日本人の約100人に1人が海外で暮らす現代、先生方ご自身が国外で活躍したり、自分が診ている患者さんが外国に移住したりすることをサポートしなければならないことも十分あり得るのです。  さらに新型コロナウイルス感染症が世界中で流行し、在留邦人に対する健康面・医療面のサポートのニーズが高まっています。いまや、医師という職業を続けていく上で、海外の事情に無関心では成り立たない部分があると言っても過言ではないでしょう。  本連載では、ベトナムで総合診療医とヘルスケアビジネスのアドバイザーという二つの顔を持つ中島敏彦先生がご登場。先生と関わりのある医師、看護師、ビジネスマン――国際的に健康・医療分野で活躍する方々を招き、グローバル社会の中で医師に何が求められているか、探っていきます。  今回ご登場いただくのは、元外務省医務官として数多くの国での勤務経験をもつ仲本光一先生。医務官だけでなく、海外邦人を医療面などで支援するNPO JAMSNETの理事でもあります。4回にわたり、現地でのご経験を踏まえた知見を共有いただきます。」 アーカイブ 第1回  「日本人患者が理解不足なのは...」医務官と臨床医の苦慮 https://drive.google.com/file/d/1SCxFsb_wujCj7Jt_i4fDqoWy_LKQn7sQ/view?usp=sharing 第2回  日本人は「弱者」で「マイノリティ」...医師はどう支援 https://drive.google.com/file/d/18XizxaQZKCMbGAEbpFoZ9SzxrMMejwhS/view?usp=sharing 第3回  危険な輸血勧める現地医師に、医務官は... https://drive.google.com/file/d/1ifTYsUQvH9kF02pRc7Ao0XuTyiotYryN
番外:新型コロナ関連情報 〇2021年8月29日掲載 新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書」シリーズの最新版「デルタ株編」 デルタ株の影響により日本の感染状況は過去最悪、 大規模災害レベルとなり、 全国各地で緊急事態宣言が発令されました。 アクセスの良かったはずの日本で、 多くの方が入院できずに自宅に留め置かれている状況が続いていま す。 皆様へのご紹介につき、玉井先生からご許可いただきました。 ご参考にしていただけれ幸いです。 ダイレクトリンク https://www.city.chino.lg.jp/ uploaded/attachment/20034.pdf 掲載HP(茅野市HP) https://www.city.chino.lg.jp/ site/korona/corona-setsumei. html?fbclid= IwAR2UWDANZ9umoKHtiIXIuphGzIWg hM4QD6MQpzokoQvKKO- fyC4UUHpVQYg#deruta
イメージ
 番外編 ベトナムの中島敏彦先生のブログ から 1.グローバルに語ろう アジア医師と見る未来 その5 「日本人患者が理解不足なのは…」医務官と臨床医の苦慮 2.グローバルに語ろう アジア医師と見る未来 その6 日本人は「弱者」で「マイノリティ」…医師はどう支援
イメージ
生活の質の話 2000年7月掲載 助手: 博士、今回が最終回ということで、何か有意義なお話をしなければなりませんね。 博士: わしはいつも、読者の皆さんのお役に立てるような話を、と思っているぞ。 助手: でも「ゴルフの話」、あれが医療情報かいな?って批判を聞きましたが。 博士: そうか。ちょっとはずれておったかな。 助手: 今回のタイトル「生活の質」というのは、quality of wife ですね? 博士: 妻の質について話してどうしようと言うんじゃ? 早くもボケておるな。それも言うならquality of lifeじゃ。医療の現場でここ10年言われるようになった言葉でな。特に末期医療などにおいて、単に延命する、そのために患者の残りの人生における生活の質を落とす事は止めよう、という考え方じゃ。 助手: 奥さんの質についても話して欲しかったんですが。まあ、ともあれ人生における生活の質ですね。つまり苦しい思いを強いられる、あるいは意識もないのに無意味に生かされているよりも、最後に残された時間をより充実したものにした方がいいという事ですよね。 博士: うむ。医療の側は、患者の希望に応じて、単なる疾患そのものに対する治療を行うばかりではなく、疼痛除去や、食べられるようにするための処置、自宅で家族と共に生活できるようにするための処置等を考慮して、場合によっては疾病の治療より優先させる、という事じゃ。 助手: 最後まで家族と共に生活する、という点ではインドネシアの方が進んでいるかもしれませんよね。 博士: そこなんじゃ。もちろん、疾病の治療レベルについては日本とインドネシアでは比較にならない。しかし、いざ手術となれば一族皆がかけつけて患者を励ます。手術が終わるまで手術室の前で数十人で延々と待つ。手術が終われば子供や孫達がずっとベッドサイドにいて身の回りの世話をする。痛みを訴えれば一晩中でも患部をさすってあげる。 助手: インドネシアでは、痛みを訴えてもなかなか看護婦さんが痛み止めの注射をしてくれないらしいですね。そうした医療側の足りない分を家族が補うんですね。 博士: うむ。そして死の床でも、ある者は手をにぎり、ある者はベッドサイドでむくんだ足を患者が落ち着くまでさすっている。あの姿を見るにつけ、自分が死を迎えるにあたり日本とインドネシアのどちらが幸せか、考えてしまう。 助手
イメージ
熱射病の話 1997年9月 助手: 博士、暑さがだんだん厳しくなりましたね。 博士: そうだな。日中は35度を超えておるようじゃ。日本も今年は暑いらしいな。 助手: そうですね。ジャカルタでも昼間外に出ていると頭がふらふらしてきますよね。 博士: それは熱中症、厳密に言うと軽い熱疲労じゃな。 助手: 熱中症ですか? 熱射病とは違うのですか? 博士: 高温に長くさらされて脱水が進み、体温が上昇してくることにより発症する病気を熱中症と呼んでいる。よく混同されているが、熱射病(日射病)というのは熱中症の中で一番重症で、多くの臓器の障害が起こった状態をさしている。熱中症の中のひとつの病態として熱疲労がある。 助手: 熱中症ね。具体的にはどんな症状が出るのですか? 博士: 発汗、めまい、疲労、頭痛、吐き気、心拍数の増加などじゃ。熱けいれんを起こすタイプもある。 助手: ねつけいれん? 子供が熱を出した後けいれんするやつですか?  博士: それは熱性けいれんじゃ。熱中症の場合は熱けいれんと言っておる。 助手: 熱けいれんね。 これも、恐そーな名前ですね。 博士: 意外に予後は良い。汗により喪失する塩分の補給がない場合、つまり多量の汗をかいた時に塩分の入っていない水だけを飲んでいると起きる。体のあちこちの筋肉がけいれんしてくる、結構痛い。じゃが、涼しい場所で寝かせて食塩を加えた水を飲ましてやれば回復する。通常、意識を消失することもない。 助手: 発汗で水だけじゃなくて塩分も失われるんですね。 博士: そうじゃ。人は突然の高熱に見舞われると発汗により1リットルあたり4グラムの塩分が失われる。しかし、適応してくれば1リットルあたり1グラムまで汗の塩分は減る。さらに腎臓からの再吸収により尿中の塩分排泄量も減少する。 助手: 1リットルあたり4グラムというのは、かなりしょっぱい汗ですね。でも慣れると失われる塩分が減るんですね。 博士: そうじゃ、いつまでもリットルあたり4グラムずつ失われていたんでは、直ぐに体中の塩分が無くなってしまう。熱けいれんは暑さに順応していない旅行者や赴任直後の人が起こしやすいと言えるな。 助手: なるほど、順応ですか。確かに日本人の場合、特に旅行者などはよく汗をかいていますけど、インドネシア人はほとんど汗をかいていないように見えますよね。彼らは完全に順応している
イメージ
血液型の話 1997年10月 助手: 博士、先日親子間で血液型が合わない例が日本の新聞に出ていましたね。 博士: うむ。父親がO型、母親がB型で子供がA型という例じゃな。 助手: ええ。この組み合わせの夫婦からは、O型かB型の子供しかできないはずですね。 博士: そうじゃ。O型はOO、この母親のB型はBOじゃった。それぞれの半分づつが子供に組み合わされるわけじゃから、子供はOOかBOしかありえない。ところが、今回の報告例では遺伝子であるDNAを調べたところ、親子であることは間違いない。さらに良く調べると、子供のA遺伝子は母親のB遺伝子とO遺伝子が組み換わっためにできたA遺伝子のそっくりさんだったというわけじゃな。 助手: なんだか良く理解できませんが、それにしてもこの夫婦は、検査の結果がでるまでもめたでしょうね。こういう例はよく起こることなんですか? 博士: 遺伝子の組み換わりそのものは少なくないが、遺伝的に証明されたのは初めての報告じゃな。 助手: そうですか。でもこれからは、子供の血液型が違う場合でも言いのがれをする事ができるようになりましたね。 博士: まあ、何を考えているかしらんが、確かに真実は母親のみ知るという場合もあるかもしれんな。男はそういう意味では悲しい存在じゃな。 助手: 血液型には、その他にRhというのもありますよね。 博士: うむ。アカゲザルの赤血球に対する抗血清で強く凝集するヒト血球をRh陽性と呼び、ほとんど凝集しないのをRh陰性と呼んでいる。輸血後の副作用やRh陰性の女性がRh陽性の子供を妊娠した場合などに大きな問題となる。 助手: どの位の割合でRh陰性の人はいるんですか? 博士: Rh抗体そのものも40種類以上知られているが、臨床上重要なのはRh1因子であり、白人の場合、陰性者は15%位とされているが、日本人の場合Rh陰性者の割合は0.5 %とされておる。血液型別に言えば、A型RHマイナス:A(Rh-)の人は500人に一人、O(Rh-)の人は700人に一人、B(Rh-)の人は1000人に一人、AB(Rh-)の人は2000人に一人ということになる。 助手: 2000人に一人と少ないんじゃ、輸血用の血液を探すのもたいへんですよね。 博士: うむ。日本の場合Rh陰性者は、自治体や赤十字にあらかじめ届けるように指導されている。いざという時のため
イメージ
デング熱の話 1997年11月 助手: 博士、やっと雨季が始まりますね。 博士: そうだな。今年は乾季が記録的に長く、雨が全く降らなかったから待ち遠しかったな。山火事が続いたための煙害もひどかったな。 助手: 空気が乾燥してましたから私ものどをだいぶやられました。 博士: うむ、車の渋滞による大気汚染も加わって、乾季の間は咽頭炎、気管支炎が増加していたな。雨が降れば気管支炎は減少するが、これからはデング熱に注意じゃ。 助手: デング熱ですね。また流行するんでしょうか。 博士: 雨の降り方が断続的、つまり降ったり止んだりであれば流行すると考えて良い。 助手: 降り方が関係しているんですか。 博士: そうじゃ。断続的な降り方はぼうふらの生育に適している。加えて都市化の影響もある。ジャカルタ市以外の地方でも都市化が進んでおりデング熱が流行するようになってきた。 助手: 政府もいろいろと対策をたてているようですが、効果は期待できるんでしょうか? 博士: 人口が集中してくれば清掃面で問題の多いカンプン地域は増える。デング熱のネッタイシマカはちょっとした水たまりでも生育可能じゃから、そうした場所では防ぎきれない面がある。 助手: どのくらいの期間、水たまりが放置されるとぼうふらが蚊になるんですか? 博士: ネッタイシマカは卵を水に産み付けると1-2日で孵化する。さらに幼虫は6-8日でさなぎになる。さなぎは2-3日で羽化して成虫になる。従って早ければ9日で蚊になると考えて良い。 助手: 結構早いですよね。そうすると1週間に1度位は庭をチェックして水たまりができていないかを調べる必要がありますね。 博士: そうじゃ。庭に殺虫剤を撒く場合でも週に1度は行う必要がある。 助手: それぐらいやっておけば安心というわけですね。 博士: ネッタイシマカは100メートル位しか飛ばないと言われておるから、家の回り100メートルの範囲で上記の処置をきっちり行い、なおかつ家にこもっていれば安心と言えるかもしれんが、現実的には不可能じゃろう。昼間の間、全く外出しないというわけにもいかんしな。 助手: 半径100メートルの範囲の駆除ですか。これは無理ですね。それに、ネッタイシマカは昼間刺すんですね。そうするとどんなに注意していても刺されてデング熱に罹る可能性はあるわけですね。 博士: そういう事じゃな。
イメージ
カルチャーショックの話 1997年12月 助手: 博士、もう年末ですね。 博士: そうだな。あっと言う間だな。特に今年は、森林火災やら飛行機事故やらと事件が続き落ちつかなかったから、時間が過ぎるのが早いような気がするな。 助手: 病気の面でも、今年初めはデング熱の大流行、乾季が長引いてからは気管支や呼吸器の病気が流行したりと、博士もお忙しかったですね。 博士: しかしこれからも雨が降ったら降ったで、洪水も予想されとるようじゃ。そうなれば、下水やトイレが溢れるなどして、食中毒が増えるかもしれんな。 助手: あれだけ雨が待ち遠しかったのに今度は洪水ですか。確かにあちこちで乱開発が進んでいるようですから、市街地の水はけが悪くなっているかもしれませんね。 博士: そうだ。君も大分、当地に対する理解が進んできたようじゃな。 助手: そりゃもうこちらに来てから2年近くになりますから、すっかり適応しています。 博士: 言葉も随分できるようになったな。さすが夜な夜な出かけて、大枚はたいて習っているだけの事はあるな。 助手: ええ、随分授業料は払いましたからね。でもこの学校で習うインドネシア語は、どうも一定ネタで内容が偏っているようですけどね。 博士: まあ良い。土地の人と交流し、言葉を習う事は適応する為には大切じゃからな。 助手: でも最初は本当に困りましたよ。言葉は全然通じないし、インドネシア人との仕事はちっともはかどらないし、来た当初は怒ってばかりでしたね。 博士: それは、不満期と呼ばれる時期の特徴じゃな。 助手: 不満期??ですか。 博士: そうじゃ。慣れない環境に置かれると、最初は無我夢中な状態じゃ。これは移住期と呼ばれる。そして数週間位たち現地の欠点が見え始めるようになる。この時期が不満期じゃ。これは、どんなに適応力が高い人でも一度は経験する。 助手: 誰でも経験するんですね。 博士: そうだ。共通のパターンじゃ。そしてさらに進むと、現地はこんなものだとあきらめ、ありのままに受け入れるようになる。この時期は諦観期と呼ばれる。 助手: そうそう、私も随分と諦めましたよ。インドネシアではこんな風にティダ・アパアパやっていくしかない、とね。 博士: さらに進んで無理なくとけ込み、現地生活を楽しめるようになると適応期と呼ばれる。しかしここまで来れる人はそれ程多くない。 助手:
イメージ
チフスの話 1998年1月 助手: 博士、あけましておめでとうございます。今年はどんな年になりますかね。 博士: おめでとう。そうじゃな、良い年になると良いな。 助手: 雨は結構降るようになりましたから、ヘイズ、煙害は治まりましたけど、食中毒は多いようですね。 博士: うむ。細菌性の食中毒以外にもチフスの症例もぼちぼち報告されておるな。 助手: 腸チフスも熱帯では恐い病気ですよね。昔は、たいへんだったようですね。入院中の絶食が我慢できなくて、隠れて卵を食べたために死んでしまったと言う話を聞いたことがありますけど、本当ですか? 博士: うむ。戦時中などは、チフス菌に効く抗菌薬が十分に開発されていなかったから、ひたすら入院安静、水分のみの絶食しか治療のしようがなかった。今のような点滴による栄養補給も完成していなかったから、患者はふらふらになるまで消耗した。チフス菌は腸に炎症を起こし潰瘍を作る。このため固形物を取る事が刺激になり穿孔、つまり腸に穴が開く事もあった。このための腹膜炎で死亡する症例も少なくなかったな。 助手: やっぱり恐ろしい病気なんですね。 博士: じゃが今は、チフス菌に良く効く抗菌薬もあるし、食べられなくても点滴により栄養補給ができるから、そんなに心配はいらん。当地であっても、入院してしっかり管理すれば、完治できる。 助手: チフスの症状は、発熱と下痢でしたか? 博士: 汚染された食べ物や水を摂取して発病するまで、通常1ー2週間かかる。症状は頭痛から始まり、食欲不振、四肢の痛み、不眠などが生じる。鼻血が出ることもある。熱は段階的に上昇し発病1週間目に40度位のピークに達する。下部小腸から大腸にかけて菌に侵されるから下痢する事もあるが、便秘する事も少なくない。腸チフスという名前があるからといって、必ず下痢が起きるわけではない。 助手: 下痢をしないで、便秘する事もあるんですか。感染源はやはり食べ物ですね。 博士: そうじゃ。チフス菌は水の中で数週間も生き延びる。その汚染された水で洗った食べ物、具体的には魚介類や乳製品等を通して感染する。キャリヤーの手を介して感染する事もある。 助手: キャリヤー、つまり保菌者がいるんですね。 博士: うむ。感染者は便中、尿中に1ヶ月間細菌を排出する。さらに、きちんと治療しないと保菌者になり、胆嚢に菌を残す事もある。胆嚢に菌が
イメージ
アメーバの話 1998年2月 助手: 雨季が続いて予想通り洪水が時々起きるようになりましたね。 博士: うむ。昨年来、自然災害が続いている。経済も混乱しておるしな。 助手: ほんと、ルピアで給料をもらっている人は、たいへんですよね。銀行にも危なくて預けられませんしね。 博士: 銀行が信用できなくなっているのは日本も同じじゃ。来るべきビックバンを前にしてバタバタと潰れておるな。 助手: お金が信用できなくなってくると、頼りは体、健康だけですね。 博士: そうじゃな。来るべき恐慌のためにも体だけは大事にしないとな。 助手: なんだか、林家三平さんの落語みたいになってきましたけど。その通りですね。そう言えば先日も友人がアメーバで入院しましたが、けっこうたいへんだったようですね。彼の場合、かなり腹痛がひどかったみたいです。 博士: アメーバは、当地では非常に多い。日本人もかなり罹患しておる。 助手: そんなに多いのですか? 博士: うむ。ジャカルタ日本人医療相談室の窪田医師によれば、昨年前半の半年だけで46人、前任の西平医師によると過去3年間毎年200人以上の日本人がアメーバに罹っている。 助手: 日本人医療相談室のデータだけで毎年200人とは、驚きですね。他のクリニックに行っている人もいますから実数はもっと多いでしょうね。皆入院しているんですか? 博士: アメーバと言っても症状はいろいろじゃ。腸の症状だけでもアメーバ赤痢と呼ばれ、ひどい血便を伴い下痢が頻回でショックに陥ってしまうものから、ちょっとお腹がゆるい位の状態までさまざまじゃ。症状が軽ければ入院はいらないケースも多い。 助手: 薬で治る訳ですね。 博士: そうじゃ。フラジールと言う商品名のMetronidazoleをきっちり使えば、治る事になっておる。しかし吐き気や胃部の不快感といった副作用も強いので内服出来ないケースもある。この場合注射薬や座薬を使用する。 助手: 日本でも治療は可能ですか? 博士: 注射薬でなければフラジールは日本にもある。しかし、アメーバ赤痢は日本では法定伝染病に指定されておる位稀な病気じゃから、できれば当地で治療した方が良い。 助手: 先月号のチフスと同様、日本で見つかると大騒ぎになるでしょうね。 博士: よほど状態が悪くなければ、慣れている当地で治療する事が基本じゃ。 助手: 確かに当地な
イメージ
結核の話 1998年3月 助手: 博士は、先日シンガポールに逃げていたそうですね。 博士: 人聞きの悪い事を言うでない。逃げていた訳では無い。医療事情を視察しておったんじゃ 助手: そうなんですか。こういうご時世だから、逃げ出したのかと思ってましたよ。 博士: 失敬な。病院やクリニックを見てきたんじゃ。 助手: それで、どうでした? 博士: ジャカルタも確かに、医療事情はここ数年めざましく進歩しておるが、シンガポールの最先端の施設や看護にはまだまだ及ばない。シンガポールは日本より進んでいる部分もあるでな。 助手: そうですか。ジャカルタも結構良くなってきたと思いますけどね。 博士: まあ、たいていの疾患であればジャカルタでも大丈夫じゃが、合併症や慢性の持病などを伴う場合には、問題がある。 助手: ジャワ人看護婦の笑顔は魅力的ですけどね。でもそれだけではいざという緊急時には間に合わないということですかね。ところでシンガポールでも、熱帯病は流行しているんですか? 博士: シンガポールは、ジャカルタで問題になるような熱帯病の報告は非常に少ない。感染症は保健省に届け出が義務づけられておるが、これによれば、1997年の1年間で、腸チフスは76件、A型肝炎も124件しか報告されておらず、ジャカルタの比ではない。デング熱に関しては1997年にはシンガポールでも流行があり3500件報告されておるが、デング出血熱は76件しか発生していない。 助手: ジャカルタとは大分状況が違うようですね。数が2桁位違いますよね。 博士: そうじゃな。むしろシンガポールは日本に近い感じじゃ。そうそう、在留邦人がよく利用しているクリニックも身に行ったんじゃが、そこの医師の話で、インドネシアから健康診断目的でシンガポールに受診しに来る邦人の中に、時に結核がみつかるとの事じゃ。 助手: 結核ですか。インドネシアには多いのですか? 博士: 保健省の報告によれば有病率は10万人あたり240人程度じゃ。 助手: そうすると、人口2億として48万人、ジャカルタ市だけでも2万人ですか。すごい数ですね。 博士: 街に溢れておるな。咳が続いた位では病院に行かないでジャムーや風邪薬などで済ませているインドネシア人は多いな。また、病院に行き結核の診断を受けたとしても治療を十分に行なっていない例がある。結核に初めて感染した場合